【長編】好きって言って
首を傾げていると、女の人は言った。
「あなたは……耀の何?」
「え……?」
突然の質問に目をぱちくりさせると、女の人はあたしの腕をいきなり掴んで歩き出した。
「ちょっと!!」
あたしは慌てて抵抗しようとしたけど、ガッチリ腕を掴まれていて振り解けない。
人気のない道まで歩くと、女の人はあたしを睨みながら口を開いた。
「あなた耀の何なのよ!!」
女の人はさっきの落ち着きなんて想像できないくらいに表情が怒りに満ちていた。
「何って……」
「あたし最近見てたの!あなたが耀と仲良くしてる所!それからよ!あたしはいきなり耀にもう関わらないって言われたの!」
そう言って女の人は涙を目に溜めた。