【長編】好きって言って
目をギュッと瞑ってあたしは体を小さくした。
……でも冷たくない。
あたしは目をゆっくり開くと、目の前に濡れた耀が立っていた。
あたしに背を向けて、女の人と向き合う耀。
「……か……がゃ?」
震えた声で呼ぶと、耀は女の人に呟いた。
「これで満足?」
「耀……!」
泣きながら耀にすがり付こうとする女の人。
すると耀は近づく女の人を突き放した。
「悪いけど……俺はもう君の相手はお遊びには構ってられない」
そう言って後ろにいるあたしの手をギュッと握った。
……ドキ。