【長編】好きって言って



目をギュッと瞑ってあたしは体を小さくした。




……でも冷たくない。




あたしは目をゆっくり開くと、目の前に濡れた耀が立っていた。




あたしに背を向けて、女の人と向き合う耀。




「……か……がゃ?」




震えた声で呼ぶと、耀は女の人に呟いた。




「これで満足?」




「耀……!」




泣きながら耀にすがり付こうとする女の人。




すると耀は近づく女の人を突き放した。




「悪いけど……俺はもう君の相手はお遊びには構ってられない」




そう言って後ろにいるあたしの手をギュッと握った。




……ドキ。




< 238 / 300 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop