【長編】好きって言って



「あたしは……!!一緒にいてくれるだけでいいの!」




そう訴える女の人の顔は涙でぐちゃぐちゃになっていた。




その表情を見ていると、あたしの胸は押しつぶされそうになった。




……きっと、耀も辛い筈。




そう思ったあたしは、握られている耀の手を握り返した。




すると耀もギュッと握り返してくれた。




すると女の人は、耀の後ろにいるあたしを睨みながら怒鳴った。




「耀、どうしたのよ!そんな子供相手にするなんて!」




やっぱりあたしは、子供なのかな。




どんなに想っていたって、周りにはあたしが誰よりも耀を好きだって事認めてもらえないのかな。




そう思うと、目頭が熱くなった。




すると耀はあたしの手を握った。





「悪いけど……。芽衣は君なんかよりいい女だよ」




え……。




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