【長編】好きって言って
部屋の中を見て、俺は少し懐かしい感じがした。
そういえば、俺……。
輝の部屋に入るの久しぶりだな。
そう思っていると、輝はベッドから立ち上がった。
「芽衣の事?」
その言葉に俺は思わずピクッと反応した。
相変わらずこいつは、鋭い。
昔からだ。
無口なこいつは、いつも何かを察して周りを見てる。
「あぁ」
頷きながら俺は、輝のベッドに静かに腰掛けた。
言いたい事はたくさんあるんだ。
謝りたいし。
感謝もしたい。