【長編】好きって言って



いつから。なんてのは、前過ぎて忘れた。




気付いたら目で追ってて。



気付いたら好きだって思ってた。




何で兄貴を好きな芽衣を好きになってしまったんだろう。




って何度も思った。




ソファーにボーッと座っていると、扉が開いた。




「あれ。もうみんな用意終わってたんだ」




その声に我に返ったオレ。



ニコニコしながら、リビングに入って来たのは兄貴。



チラッと芽衣を見ると、ぽーっと兄貴を見つめている。




……見惚れてるな。




膝に頬杖をつきながら、何も言わずに2人を眺めた。



芽衣が見惚れるのも分かる。




兄貴は格好いい。




オレと顔が似てるって言われるけど。




オレには違う顔に見える。



< 26 / 300 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop