【長編】好きって言って
いつから。なんてのは、前過ぎて忘れた。
気付いたら目で追ってて。
気付いたら好きだって思ってた。
何で兄貴を好きな芽衣を好きになってしまったんだろう。
って何度も思った。
ソファーにボーッと座っていると、扉が開いた。
「あれ。もうみんな用意終わってたんだ」
その声に我に返ったオレ。
ニコニコしながら、リビングに入って来たのは兄貴。
チラッと芽衣を見ると、ぽーっと兄貴を見つめている。
……見惚れてるな。
膝に頬杖をつきながら、何も言わずに2人を眺めた。
芽衣が見惚れるのも分かる。
兄貴は格好いい。
オレと顔が似てるって言われるけど。
オレには違う顔に見える。