【長編】好きって言って
「何でかは、兄弟喧嘩も一件落着したからな!仲良くみんなで登校だ!」
……。
「別に喧嘩してないし」
そう言って優雅を睨む輝。
……あははは……。
苦笑いを隠せずに立ち尽くしていると、耀があたしの手を握って微笑んだ。
「行こっか芽衣。今日も可愛いね」
「え……あぁりがと」
朝から……サラッと言うから、あたしの顔は真っ赤。
恥ずかしいよぉ。
何て甘い空気になっていると、不機嫌そうな輝が後ろから呟いた。
「そういうのは2人きりでやってよね」
とびっきり悪意のこもった声で言われる。
……あはは。