【長編】好きって言って
そう言われたあたしの気持ちはもう決まっててゆっくりと頷いた。
そして耀の首に腕を伸ばす。
ゆっくりと降りてくる耀にあたしは身を任せた。
“大好きだよ”ってお互いの名前を呼び合いながら。
覚えているのは、好きって感情と温もりの甘さだけ。
ねぇ耀。
あたしホントに耀を好きになってよかった。
耀だけを好きでいてよかった。
人を好きでいる事がこんなに幸せだなんて。
それはきっと耀と両想いになれたから……。
知る事ができたんだよね?
好きだから好きって言ってほしい。
確かめたいから好きって言ってほしい。
でも、ホントは分かってるんだよ?