【長編】好きって言って
頭をワシャワシャ乱暴にかいていると、楓はそんなおれを見つめる。
おれ可笑しい!!絶対に可笑しい。
「あーぁ。そんなやったら髪ボサボサになんじゃん」
溜め息をつきながら、ボサボサの頭のまま机に伏せているおれの髪に触れた。
!?
「ってうぉ!!」
突然触れられて驚いたおれは、バッと顔を上げた。
その勢いで前を見ると、目の前に驚いた顔の楓。
「うわぁ!!!」
いきなりの近距離でおれはまた驚いて椅子から落ちた。
ガタン!!
うわー……恥ずっ。
尻餅ついたおれはゆっくりと楓を見上げた。