【長編】好きって言って
恋人に。
゚・。。・゚・。。・゚Yuga side*
とにかく走った。
楓を見つける為に。
「くそ!どこにいんだよ!!」
体力に自信があるとはいえ、もう何十分も走って息も切れた。
キョロキョロと見回すと、裏庭の噴水に小さな背中を見つけた。
「楓!!」
大きな声で名前を呼ぶと、その背中はビクッとした。
そして振り返ると、目が合う。
そしておれを睨んでまた歩き出そうとした。
うわ!!
おれは慌ててそれを止めようと腕を掴んだ。
「待てよ!!」
「何よ!?」
掴まれた腕を見つめておれを見上げると、楓はそう怒鳴った。