【長編】好きって言って
「何勝手にキスしようとしてんの?」
って、えぇ?
「だって楓……勝手にしたじゃん」
涙目になりながら言うと、楓は腕を組んだ。
「あたしはいいの!!」
「そんなのずるいじゃん」
何で楓はしたい時できて、おれは駄目な訳?
「はぁ?」
う……また睨まれた。
「はい……すいません」
そう言うと楓はニコッと笑った。
その隙におれは不意に楓にキスした。
舌をぺロッと出しておれは楓を見下ろした。
「隙あり」