【長編】好きって言って
そう呟くと、楓は赤い顔をしながらおれを睨んだ。
うわ!めっちゃ可愛い!
何て思ってたのも束の間。
楓はおれから視線を逸らした。
「……別れる」
ってはぁ!?
その言葉におれは慌てた。
「待って!!許して!!楓」
おれは早歩きで歩いて行く楓を必死で追いかけた。
今までの恋はおれが主導権を握ってたけど……。
今回はそういかないみたいだ。
変に抵抗するのはやめようと思います。
抵抗したらこうなるって痛いほど分かったので。
おれは……一生楓の犬なんだろう。