【長編】好きって言って
「ほら。芽衣!これ飲んで元気出せ」
そう言って優雅はニッと笑って、オレンジジュースを差し出してきた。
「ありがと……」
受け取って、ストローでオレンジジュースを口に含む。
あたしがジュースを受け取って、手が空いた優雅は頭の後ろに腕を回した。
「ったく。お前は泣き過ぎなんだよ」
「何よ……。優雅だって叫びまくってたくせに」
知ってるんだから。
優雅が驚く度に輝にしがみ付いて、輝に怒られてた事。
すると優雅はギョッとする。
「おれは泣いてねえ!」
そう言ってあたしを睨む優雅。
そんな優雅を見て、輝がツッコむ。
「同じようなもんでしょ」