【長編】好きって言って
「芽衣……」
「あたしは、覚えてないくらい小さい時から耀が好きなの!」
小さい時は恋愛感情とかなしで好きだったのかもしれない。
でも今は違う。
「あたしの耀への想い……馬鹿にしないで!!」
そう怒鳴って、あたしはその場に座り込む女の人から視線を逸らして歩き出した。
悔しかった。
あたしの想いを馬鹿にされた事。
耀の顔しか見てない女の人達に今まで耀を独占させていた事。
早歩きで歩くあたしの後ろを耀は何も言わずについてきた。
そして家の前についたあたし達は無言で向き合う。
すると耀は、フッと笑ってあたしの頭を優しく撫でた。
「また……嫌な想いさせちゃったね」