【長編】好きって言って
心臓が今までで1番脈を打っている気がする。
お風呂に入ってもいないのに。
熱くもないのに。
……のぼせそう。
耀の言葉であたしの頭は完全に麻痺してしまった。
もう何も考えらんない。
耀に連れられて、あたしは耀の部屋へと招かれた。
「どうぞ」
そう言って耀はあたしを部屋に入れて、扉を閉めた。
ホントに……来ちゃった。
耀の部屋に入ったのは、何年ぶりだろう……。
小学生くらいの時は、輝とかの部屋にももちろん耀の部屋にも自由に入っていたけど。
あたしが中学生に上がった頃には、耀の部屋に入る事はなくなった。
前と違って、黒を基調としてて……。
大人っぽい部屋。