【長編】好きって言って
すると耀は、スタスタと自分のベッドの方に歩いて行って、ストンとベッドに腰掛けた。
「芽衣が……部屋に入るの久しぶりだね」
微笑みながらそう呟く耀は、何だかいつもと違う気がした。
「……うん」
あたしは静かに頷くと、耀はフッと笑った。
「芽衣はさ……。俺をどうやって惚れさせるの?」
「それは……」
いつもと違う耀の雰囲気と、緊張のせいか。
全く頭が働かなくて、言葉が出てこない。
「芽衣……」
俯いていると、耀はあたしの名前を呼んで両手を広げた。
「おいで……」
その甘い声に、あたしの体は気付いたら動いていた。