【長編】好きって言って
一歩一歩……。
あたしは耀に近づいていく。
その間耀はあたしから一瞬も視線を逸らさなかった。
そして耀の前まで来た時。
あたしは足を止めた。
すると耀はフッと笑って、あたしの腕を掴んだ。
「……覚悟はできてる?」
そう首を傾げて聞く耀。
「うん」
覚悟はできてる。
覚悟……その意味はちゃんと分かってる。
すると耀は目を細めると、あたしの腕をグイッと引っ張ってあたしをベッドに倒した。
そしてあたしに覆いかぶさると、あたしの両腕を掴んだ。
いつもの優しい顔じゃなくて、知らない男の人みたいだった。