【長編】好きって言って
全然眠れていないあたしは、静かに目を閉じた。
涙が頬を伝うのが分かる。
それを拭おうとした時だった。
ガチャ。
部屋の扉が開かれる音がした。
え?誰?
ママもパパも仕事に出かけてる筈。
じゃ……誰?
もしかして、泥棒!!?
息を止めて身を隠していると、上から聞き覚えのある声が降ってきた。
「芽衣……」
その声を聞いて、あたしは下唇を噛んだ。
何で……ここに来たの?
「学校は……どうしたの」