【長編】好きって言って
「何……」
ぶっきら棒に答えるあたし。
でもそれが今の自分の精一杯の返事だった。
「兄貴の為に泣くなよ……」
その言葉を聞いて、あたしはバッとベッドから起き上がって輝を見つめた。
突然起き上がったあたしを輝は驚いた表情をしている。
「輝に……何が分かるの!?」
今まで我慢していた涙が溢れた。
「芽衣……?」
「輝には分かんないよ!あたしの気持ちなんて!!」
ずっと好きだった人に、フラれる気持ちなんて。
ずっと好きだった人に、突き放される気持ちなんて。
ずっと好きだった人に……。
「気持ち受け止めてもらえなかった……悲しさっなんて、分かんないよ」