【長編】好きって言って
何でこんなに家から学校が近いんだろう……。
何て思う。
家から学校まで、徒歩で10分。
その10分がとても短く感じた。
学校の校門の前について、あたしは息を呑んだ。
……。よし。
拳を握り締めて、教室へと向かう。
教室の前について、深呼吸をして中に入ると。
友達の楓があたしに気付いて、顔をパッと明るくさせるとあたしの方に走ってきた。
「芽衣久しぶり!……大丈夫?」
心配そうに眉を下げて首を傾げる楓。
そんな楓にあたしは笑顔で答える。
「うん。大丈夫。心配かけてごめんね?」
謝ると、楓は首を振った。