【長編】好きって言って
「ううん。友達なんだから当然でしょ」
楓は大人だ。
あたしみたいな子供っぽいあたしに優しくしてくれる。
「ありがと」
楓の優しさに、また涙が出そうだった。
でもそれを堪えていると、楓は優しく微笑んであたしの頭を撫でた。
「……何があったかは、話せるようになってからでいいから」
「うん」
やっぱり楓にはお見通しだったみたい。
楓には嘘つけない。
すると教室の扉がガラッと開いた。
「よお!……ってああ!!芽衣来てたのか!!」
教室に入ってきたかと思うと、いきなりあたしを指差して満足そうな笑顔を見せた優雅。