【長編】好きって言って
そう怒鳴ってあたしを見下ろす女の人。
「まぁまぁ……」
耀は微笑みながら、間に入った。
「あんたかなり耀に懐いてるみたいだけど、耀はあんたみたいなお子様眼中にないわよ」
……っ。
「はい、そこまで」
言葉に詰まったあたしに背を向けて、耀は女の人の方に向いた。
「……耀?」
キョトンとしながら、あたしが耀を見上げる。
すると耀はあたしの方を向かずに口を開いた。
「君が俺の大切な幼馴染を悪く言うような子だとは思わなかったよ」
「耀……」
耀に背を向けられていて、顔が見えない。
でも女の人の顔が引きつっているのが分かる。
……耀?