【長編】好きって言って



「でもね?」




楓はフッと笑う。




「相手への好きが……。自分を想ってくれてる人より、想ってる人の方が大きかったら。きっと愛されたいより、愛したいが勝つと思うよ」




すると楓はあたしの頭を優しく撫でた。




「だから芽衣。芽衣もよく考えて。どっちを選べば幸せになれるのか」




楓の芽は真剣で、あたしは目を逸らせなかった。




「難しい問題だけど。芽衣は……答えを出さないといけないよ」




そうだよね。




逃げちゃいけないんだ。




今……答えを出さないと、これから先に進めない。




輝も……。




耀も……。




あたしも……。




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