【長編】好きって言って
ずっと一緒にいるのに。
何だか“部外者”なんて言葉をつきつけられた感じがして。
イラッときた。
輝の座っている席の机に両手を置いて、おれは輝を睨んだ。
すると、輝ははぁ……っと溜め息をついて椅子に座りなおした。
そして俯きながら呟いた。
「……兄貴が、芽衣をフッた」
……!?
「嘘だろ!?」
そのおれの声のでかさに、クラスの奴等の視線がおれ等に集中する。
すると輝は舌打ちして、唇の前に人差し指を立てた。
「……っし」
その表情は不機嫌そうで、おれは苦笑いした。