【長編】好きって言って
「悪ぃ……」
そう謝ると、輝はまた小説に目を落とした。
しばらくその姿を見ていたおれは、輝はおれが質問しないと話を進めないと察して口を開いた。
「で?」
「何が?」
「さっきの話だよ」
こいつ忘れてんじゃねえよ!
またイラッとしたけど、また怒られそうだったから言葉を飲み込んだ。
「で……オレが芽衣に告った」
「へ?」
おれは輝の言葉にキョトンとした。
「え?輝が……誰に?」
「芽衣に」
……え?