大好き後藤君☆
私は耐えられなくなった。
桃田さんの笑顔も、声も、全てが。
吐き気のする生ゴミのように思えて、私は思わず吐いてしまった。

ある放課後、私は後藤君に会いにいった。
けど後藤君は桃田さんといたよね?
私はまた吐きたくなった。
思わず口を手で押さえ、そのあとくるりと背を向けたよ。
でも桃田さんと後藤君の楽しそうな声がして
耐えきれなくて


持っていた果物ナイフで桃田さんを脅した。
「何するんですかっ・・・!」
いつもの「女の子」臭さは消えて
ただの弱い人間に成り下がった桃田さんを見ていてどこか心が温まるのが分かった。
「やめろ・・・!」
後藤君が辛そうな声をだす。
「どうして?どうして後藤君・・・。」

私は、信じられない。
私は、信じたくない。
後藤君は桃田さんを守るの?
どうして?
こんなの許さない。
こんなの許したくない。

ナイフを、桃田さんの首にひたりを当てる。
すーっと赤い筋ができて
すると桃田さんの顔が人形のように冷めて、がたがた震えだした。
皮膚が薄く切れただけだから
あんまり痛くないのかな。

「・・・。」

後藤君は、見てるだけ?
良かった。
桃田さんを助けるなんてことはしないんだね。
良かった。
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