I'm sing of you.
母がそういうとあたしは黙った。

「筋萎縮性側索硬化症って病名なんだ」

「あ・・・よかった~新型じゃなかったんだ!
ホントヨカッタ。」

ホントあたしは医学を知らなすぎた。

「何ですか?その・・・筋萎縮・・・とかそんなのは?」

ママは深刻な顔をして先生に聞いた。

「筋萎縮性側索硬化症は別名ではALSって言うんだ。」

「・・ASL?」

あたしはさっきまで不安な気持ちは無かったが、なんとなく重たい病気なんだって思ってしまった。
どうしよう、裕也・・・。

あたし、歌えなくなっちゃうのかな?
2人で歌ってギター弾いてデビューして売れてっていう夢も無くなっちゃうの?
そんな気がした。

「うん、ASLは体の筋肉が痩せていく病気なんだ。」

「え?・・・筋肉がやせるとはどういうことなんですかね?先生?」

ママが先生に質問している。

「しかし、筋肉そのものの病気ではなく、筋肉を動かし、かつ栄養している運動をつかさどる神経、運動ニューロンだけが障害を受けて、手を動かせだとか、声を出せという命令を体が利かなくなるという病気です。お母様、これはお子様の前で言うのは嫌ですが・・・」

「先生??」

「ん?」

「あたし・・・歌手になりたいんだあ・・・。」

「うん。」

「でね、彼氏はギタリストになりたくてね、2人でデビューするんだ。あたしが歌って彼氏がギターで演奏して、色々なテレビ番組に出たいんだあ・・・。小さい頃から、歌とピアノ習ってて、ママとパパに音楽家になるんだよねって言ってあたし生きてきて、、、ウッ」

今までの人生を話しているうちに大粒の涙が出てきた。

「先生、どのような症状が出るのですか?」

ママが聞く。
あたしも泣きながら、先生の話を聞く。

「足が動かなくなったり、手が動かなかったり、話せなくなったりもするし、食べ物が上手く飲めなかったりする。」

「話せない・・・ってコトは・ウッ、、、声を出して歌えないってコト?ウッ・・・」
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