草食系部下と私様上司③



「にしても遅いなぁ莉子。」


電話の為、寝室に行って30分は経っていた。


仕事のトラブルとか?


俺は、おもむろに席を立って、寝室を覗いた。


ベッドの脇に座って何か深刻そうな顔をして、携帯を握りしめていた。


「莉子…?どうしたの?何か有った?」

莉子の隣りに腰かけて、肩に手を置いた。


「どう…しよう。」

「ん…?」


今にも泣き出しそうな顔をして、俺の胸に埋めた。


「え…、莉子?」


電話の内容が分からない俺だけど、莉子の震える身体を抱きしめた。


< 16 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop