赤牢連夜~星降る夜空の下で~
一夜
ザワザワ…ザワザワ…
日が暮れ、暗闇が支配する時間帯。
蝋燭や油につけられた灯火が、朱色の柱たちを妖しげに浮かびあがらせる。
そんな道並に一歩足を踏み入れれば、そこはまるで祭りのようにいろんな人々が行き交う。
その目的は様々……。
表には公表されていない情報を交換したり、または酒の席で友好を深めたり……。
朱色の檻に入っている、着飾った女郎たちを見定めにきたり……。
そんな様々な理由を持つ男たちのために、女郎たちは髪を結い上げ、おしろいをたたき、紅をひき、幾重にも幾重にも重ねた着物を引きずる。