ハツコイ☆血肉色
「じゃあさ、わたしとつきあってみない?」
肩口の髪をはらい、小悪魔的な流し目で告白。
円城寺くんの表情は変わらない。
せみの声がけたたましく響くなか、たっぷりと間を置いてから、ようやく彼は口を開いた。
「本気?」
「うん。わたしね、前から円城寺くんのこと気になってたの」
「小松さんの今後のためにも忠告しておくけど」
ここでまたひとつ間を置くと、彼は両手を腰にあてて大きく息を吐きだした。
そして、次に口にした言葉がわたしの人生を変えた。
「身のほどをわきまえたほうがいい」
なにより、憐れみと侮蔑の入り混じった彼の瞳が忘れられない。
自分を見つめなおすには十分すぎるひと言だった。
それまでのわたしは、まったくと言っていいほど自分に無関心で、容姿など気にもしていなかった。
陽気で快活なわたしのまわりにはいつもたくさんの人があつまり、気がつけば自然とクラスの輪の中心にいる。
自意識が足りない要因はそこにあったのかもしれない。
毎日が楽しければいい、ただそれだけだった。
あの日、円城寺くんに告白するまでは。
わたしはそのとき初めて知ったのだ。
自分が並はずれたブスだということを――。
肩口の髪をはらい、小悪魔的な流し目で告白。
円城寺くんの表情は変わらない。
せみの声がけたたましく響くなか、たっぷりと間を置いてから、ようやく彼は口を開いた。
「本気?」
「うん。わたしね、前から円城寺くんのこと気になってたの」
「小松さんの今後のためにも忠告しておくけど」
ここでまたひとつ間を置くと、彼は両手を腰にあてて大きく息を吐きだした。
そして、次に口にした言葉がわたしの人生を変えた。
「身のほどをわきまえたほうがいい」
なにより、憐れみと侮蔑の入り混じった彼の瞳が忘れられない。
自分を見つめなおすには十分すぎるひと言だった。
それまでのわたしは、まったくと言っていいほど自分に無関心で、容姿など気にもしていなかった。
陽気で快活なわたしのまわりにはいつもたくさんの人があつまり、気がつけば自然とクラスの輪の中心にいる。
自意識が足りない要因はそこにあったのかもしれない。
毎日が楽しければいい、ただそれだけだった。
あの日、円城寺くんに告白するまでは。
わたしはそのとき初めて知ったのだ。
自分が並はずれたブスだということを――。