ハツコイ☆血肉色
チヤホヤされたい、もてはやされたい、誰にだってそういう願望はあるけれど、それはほんのひと握りの幸運な人たちだけに与えられた特権で、そうじゃない人たちはどこかであきらめて自分に見切りをつけるしかない。
でも、わたしには無理だった。
親しく話す男の子たちから、女としてまったく意識されていない。
一四歳にしてようやくそのことに気がつき、そして打ちのめされた。
そんな残酷な現実は受け入れられない。
自分に見切りをつけるなんてできない。
だから整形した。
親からもらった大切な体にメスを入れるなんて――
そんな風潮はいまだに根強く残っているけれど、わたしはこれっぽっちも迷わなかった。
そうして、わたしは生まれ変わった。
「ユリカちゃん、モテるでしょ?」
今ではこんなセリフも当たり前のように耳にする。
「ううん、ぜんぜん」
実際はモテモテだった。
整形して以来、わたしを見る男の子たちの視線はまったく違うものになった。
「モテないはずないよ。かわいいし、スタイルいいし、性格も明るいし」
「そんなことないってー、ほめすぎだよ円城寺くん! あはは」
おいしいワイン、甘い言葉、そして円城寺くんの熱烈なまなざし。
今こうして満ち足りた気分で、夢見心地の中にいられるのは、『小松千世子』という古い殻を脱ぎ捨てたからだ。
欲しいと願う“モノ”は、指をくわえて見ているだけじゃ手に入らないのだ。
でも、わたしには無理だった。
親しく話す男の子たちから、女としてまったく意識されていない。
一四歳にしてようやくそのことに気がつき、そして打ちのめされた。
そんな残酷な現実は受け入れられない。
自分に見切りをつけるなんてできない。
だから整形した。
親からもらった大切な体にメスを入れるなんて――
そんな風潮はいまだに根強く残っているけれど、わたしはこれっぽっちも迷わなかった。
そうして、わたしは生まれ変わった。
「ユリカちゃん、モテるでしょ?」
今ではこんなセリフも当たり前のように耳にする。
「ううん、ぜんぜん」
実際はモテモテだった。
整形して以来、わたしを見る男の子たちの視線はまったく違うものになった。
「モテないはずないよ。かわいいし、スタイルいいし、性格も明るいし」
「そんなことないってー、ほめすぎだよ円城寺くん! あはは」
おいしいワイン、甘い言葉、そして円城寺くんの熱烈なまなざし。
今こうして満ち足りた気分で、夢見心地の中にいられるのは、『小松千世子』という古い殻を脱ぎ捨てたからだ。
欲しいと願う“モノ”は、指をくわえて見ているだけじゃ手に入らないのだ。