ハツコイ☆血肉色
とある日曜日のこと、ショッピングモールにひとりで買いものに来ていたわたしは、偶然にもそこで円城寺くんを発見した。
ハンチング帽を目深にかぶり、普段はしていない眼鏡までかけていたけれど、わたしにはひと目でそれが円城寺くんだとわかった。
彼もひとりで来ているようだった。
当然のごとく、わたしは尾行をはじめた。
彼はその辺りを行きつ戻りつして、とくに目的もなくぶらついているようだったけれど、しばらくすると婦人服店の前で足をとめた。
中には入らず、店頭に並べられた商品を物色している。
わたしは二〇メートルほど離れたものかげから、その様子を眺めていた。
婦人服店でいったいなにを探しているのかと首をかしげていると、そのうち彼はきょろきょろと周囲を気にしはじめた。
あきらかに挙動不審だった。
万引き……?
まさか円城寺くんにかぎって――
そう思った次の瞬間、彼は目の前にあったマネキンの胸を両手でわしづかみにした。
エレガントなポーズで挑発的な微笑を浮かべるマネキンの胸をひとしきり揉みしだくと、彼は足早にその場から立ち去った。
その光景を目にして、わたしは確信するにいたった。
円城寺くんはおっぱいが大好きなんだ――。
それを裏づける彼の怪しい挙動は、その日以降もたびたび目撃することとなる。
ハンチング帽を目深にかぶり、普段はしていない眼鏡までかけていたけれど、わたしにはひと目でそれが円城寺くんだとわかった。
彼もひとりで来ているようだった。
当然のごとく、わたしは尾行をはじめた。
彼はその辺りを行きつ戻りつして、とくに目的もなくぶらついているようだったけれど、しばらくすると婦人服店の前で足をとめた。
中には入らず、店頭に並べられた商品を物色している。
わたしは二〇メートルほど離れたものかげから、その様子を眺めていた。
婦人服店でいったいなにを探しているのかと首をかしげていると、そのうち彼はきょろきょろと周囲を気にしはじめた。
あきらかに挙動不審だった。
万引き……?
まさか円城寺くんにかぎって――
そう思った次の瞬間、彼は目の前にあったマネキンの胸を両手でわしづかみにした。
エレガントなポーズで挑発的な微笑を浮かべるマネキンの胸をひとしきり揉みしだくと、彼は足早にその場から立ち去った。
その光景を目にして、わたしは確信するにいたった。
円城寺くんはおっぱいが大好きなんだ――。
それを裏づける彼の怪しい挙動は、その日以降もたびたび目撃することとなる。