ハツコイ☆血肉色
★6 円城寺
女の手を引いてオペ室へ向かう。
ほの暗い廊下を黙然と歩きながら、僕は身震いするほどの興奮に襲われていた。
足を一歩踏み出すごとに、止めどなく活力が溢れ出てくる。
細胞が活性化し、神経は研ぎ澄まされ、血液が沸き立っている。
体感できるほどに、脳内ホルモンが大量に分泌されている。
ようやく、この時が来た。
僕は一度大きく息を吸い込み、ゆっくりと静かに吐き出した。
浮き立つのはまだ早い。
気を鎮めて平静を保たなければ、ともすると相手に付け入る隙を与えかねない。
まずは術前処置を確実にこなさなくてはならないのだ。
首筋にメスを突き刺す。
頚動脈を切断する。
飛沫が上がる。
一〇秒後に絶命。
単純きわまりない作業だが、滞りなく適切に処理しなければ不測の事態だって起こり得る。
万一にでも、足をすくわれるようなことがあってはならない。
ほの暗い廊下を黙然と歩きながら、僕は身震いするほどの興奮に襲われていた。
足を一歩踏み出すごとに、止めどなく活力が溢れ出てくる。
細胞が活性化し、神経は研ぎ澄まされ、血液が沸き立っている。
体感できるほどに、脳内ホルモンが大量に分泌されている。
ようやく、この時が来た。
僕は一度大きく息を吸い込み、ゆっくりと静かに吐き出した。
浮き立つのはまだ早い。
気を鎮めて平静を保たなければ、ともすると相手に付け入る隙を与えかねない。
まずは術前処置を確実にこなさなくてはならないのだ。
首筋にメスを突き刺す。
頚動脈を切断する。
飛沫が上がる。
一〇秒後に絶命。
単純きわまりない作業だが、滞りなく適切に処理しなければ不測の事態だって起こり得る。
万一にでも、足をすくわれるようなことがあってはならない。