ハツコイ☆血肉色
僕は立ち上がろうとした。
が、脚は全くいうことをきかなかった。
上体を起こそうにも、腕に力が入らない。
気を抜くと、意識が遠のいていきそうになる。
「でもさ、ビックリしちゃったよ」
目だけを動かし、女を見た。
「円城寺くんも、わたしと同じだったんだね。やっぱり運命の人だよ」
なおも要領を得ない話を続けながら、女は水槽の中を眺めている。
「わたしもね、ちょっとしたコレクターなんだよねぇ。だから円城寺くんの気持ち、よくわかるよ」
女は傍らに屈み込むと、腹這いになった僕の体をひっくり返して、仰向けにした。
不自然に形の整った乳房が目に入り、思い出したように忌々しさが込み上げてくる。
女は、肩にぶら下げたポーチの中に手を突っ込んだ。
「好きな人の一部を切り取ってぇ、自分のそばに置いておきたいっていう気持ち、すごくよくわかるよ」
女がポーチから手を引き抜くと、やたらと大きなハサミが握られていた。
ブラックライトの青い光を受け、二枚の刃が鈍く光った。
「円城寺くんの“モノ”はどうしても欲しかったんだ……。だって初恋の人だもんっ」
何を言っているのか。
頭のいかれた女なのかもしれない。
「色んな男の子からたくさんゲットしたけど、円城寺くんの“モノ”はわたしにとって特別だから」
が、脚は全くいうことをきかなかった。
上体を起こそうにも、腕に力が入らない。
気を抜くと、意識が遠のいていきそうになる。
「でもさ、ビックリしちゃったよ」
目だけを動かし、女を見た。
「円城寺くんも、わたしと同じだったんだね。やっぱり運命の人だよ」
なおも要領を得ない話を続けながら、女は水槽の中を眺めている。
「わたしもね、ちょっとしたコレクターなんだよねぇ。だから円城寺くんの気持ち、よくわかるよ」
女は傍らに屈み込むと、腹這いになった僕の体をひっくり返して、仰向けにした。
不自然に形の整った乳房が目に入り、思い出したように忌々しさが込み上げてくる。
女は、肩にぶら下げたポーチの中に手を突っ込んだ。
「好きな人の一部を切り取ってぇ、自分のそばに置いておきたいっていう気持ち、すごくよくわかるよ」
女がポーチから手を引き抜くと、やたらと大きなハサミが握られていた。
ブラックライトの青い光を受け、二枚の刃が鈍く光った。
「円城寺くんの“モノ”はどうしても欲しかったんだ……。だって初恋の人だもんっ」
何を言っているのか。
頭のいかれた女なのかもしれない。
「色んな男の子からたくさんゲットしたけど、円城寺くんの“モノ”はわたしにとって特別だから」