un sourire d'ange
《2》



今から一年前。


夕焼けに染まる町並みを、一人展望台から眺めていた。

別に何かあったわけじゃないけれど、ただただ疲れて無性に物悲しくなっていた。


何が楽しいのか。

何が嬉しいのか。


もっと言えば、


何が幸せなのか。


訳もなく情緒不安定に落ちていて、そんな自分が惨めに感じて仕方がなかった。




< 2 / 18 >

この作品をシェア

pagetop