un sourire d'ange
《3》
小さな体であたしを見上げ、何を言うでもなくつぶらな瞳でジッと見つめるだけ。
歳は四・五歳ぐらいだろうか。
白いコートに身を包み、この寒い季節に素足を出している。
髪は肩より長いけど、男とも女ともとれるような中性的な顔。
辺りを見渡しても親らしき人もいない。
迷子?
と聞いても首を横に振るだけ。
なぜか、その子は喋らなかった。