深紅の花に姫君〜失墜の姫〜
「なんも………無い」


あたしは十夜に背を
向けて立つ





「あ?」


十夜の拍子抜けした
ような声を出す






「十夜……」



あたしは正面を向く






霧が濃くて十夜の顔が
あまり見えない









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