fragile

さっきまで眠かったはずの意識はどこかへ飛び、なぜか彼の返信が楽しみになっていた。
俊也のことも、少し引っ掛かる。だが昨日の喧嘩が問題であった。まだ俊也を許しきっていない。だから、少しくらい悪事を働いても、罪悪感はあまりなかった。


ブー…ブー…

「あ…きた」

恐る恐る携帯を開く。そして目にうつる文字は…

>よろしくー(・ω・ )ノ


(か…かわいい…!!!!!



予想外?
想定外?

よく分からなかったが、意外な彼の返信に食い入った。



>なんて呼んだらいいですか??

>たかしで☆

>たかしさんですね…!!

>さんとかいらないよ(・∀・)俺は何てよべばいい?

>あゆみって呼んでください!

>あゆみね

>はいっ

>タメ語で構わないよ〜

>いや…何歳ですか?

>高3(・∀・)

>あ…年上ですよ…!

>あゆみ何年なん?

>高1です^^

>高1かぁ(・∀・)別に大丈夫だからー!

>じゃあ…分かりました…!!

>敬語敬語(笑




これだけのやり取りをするのに、おそらく15分程度。ハイスピードに帰ってくる返事が、私にとって相性がよかった。
私のメール術は、短文・素早く・長くがモットーだ。


>プリ画あったら見せて♪

そう私がお願いすると、一枚の画像が添付されてきた。

>これしかないから勘弁して

文字のあとに目に映るのは、当然知らない顔だ。
髪が盛ってある。だが黒髪で、肌の色も白い。チャラ男ではなさそうだ。
目は…そんなに大きくない。たれ目の優しそうな瞳。鼻はすっと通って、肌がきれいなのが画像からでも伝わってきた。唇は淡い桃色を成して、うらやましいと思うほど綺麗な顔立ちだった。

時間は分からない。
ただ、見とれてしまったのは確かな事実であった。


>ありがとう!かっこいいね^ω^

>かっこよくないよー。あゆみもちょうだい


別にどのプリ画を送ったって、私にプラスになることはなかったはずだ。だけど、少しでも気に入られたい気持ちが心に存在してしまった。
あまり自分が大きく写っていない、かつ笑顔のものを添付した。
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