キャップ。
「・・・」

一分間くらい沈黙でいた。
そして、男は口を開いた。「えーっと・・・
君、この学校の生徒?」

月の明かりでやっと男の顔がハッキリ見えた。

ハスキーな声の主は
思っていたよりずっと若く二十代前半だとみた。

「あ・・・はい。」

口を動かしたら殴られた口元が痛んだ。

「何ッ?!ちょっと!やばいやん!その傷ッ!!」

その男は近くまで来て、顔の傷を眺めた。

「ぅわぁ〜ひどいなぁ。
とりあえず保健室行こう?手当てするから。」

あたしは首を横に振った。
「大丈夫です。家近くなんで。」
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