UNDER PRANET
その台詞と共に窓ガラス越しに黒い影が蠢いた。
どこからか漏れる明かりの影から
黒いもやみたいなのが出てきて
そしてそれが動き始めた。


「な……んだよ…あれ。」


恐怖からか、声が震える。
黒い影はあちらこちらから出てきて
世界樹の方へ向かって行く。


「私は…生れた時からアレを見ているわ。
名前は知らない。
だけどすごく惨忍なものよ。」
「惨忍?」


リアの言葉に彼女を見れば
彼女は頷いてある一点を指差した。
そこには震える猫がいた。
ただそこにいるだけの猫に群がる黒い影。

猫の威嚇するような声が聞こえた後、
言い表せない断末魔の泣き声がした。
破裂したかのように血が飛び散った。

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