私の彼氏はヴァンパイア
そして、現在。
高校2年生の未だに、生きる意味らしきものは見つかってない………
このままおばーちゃんになって寿命を迎えて死んじゃうんじゃ…
ってなぐらい、これってない。
「樹里~、帰ろー」
「ん~待って」
授業が終わって、今帰ろうとしているところ。
友達の神崎樹里(カンザキジュリ)は帰る方向が同じで、いつも一緒。
「………あ。」
「どうしたの?」
「楓…マジごめん!
今日彼氏と約束してた………」
「…あぁ、デート入ってたの。
全然いいよ、ひとりで帰れるし」
樹里は他校に彼氏がいた。
爽やかな好青年。
印象は悪くなかった。
「ありがとっ!
恩にきるよ~~~~~っ!!!
………あ。」
「今度は何?」
「外、雨降りそうじゃん。
楓、傘持ってきてる?」
「うん。
確か、ここに予備が………」
…カバンを探っても出てこない………
忘れたかな…?
「ない?
あたし予備あるんだけど、今日デートだし。
使わないと思うから、楓に貸すよ」
そう言うと、樹里はピンクの折り畳み傘をあたしに差し出した。