私の彼氏はヴァンパイア



「…いいの?
んじゃ、お言葉に甘えて遠慮なく………」



あたしは傘を受け取った。


その後、校門まで一緒に出て、それぞれ別の方向へ向かった。


頬に冷たい感触がした。



「…あ………雨……………」



樹里から貸してもらった傘が役に立った。


ピンクの傘を差しながら、いつもの歩道橋を越えて池にさしかかった時…


走っている人にぶつかって、その衝撃で池まで転がり落ちた…!


…池は冷たい。


水が頬をきって、心地悪かった。


美里…ごめん。


やっぱり、生きる意味も見つけられずに死んじゃう運命みたい。


…ごめんね………


次の瞬間、ざぶーん!とものすごい音が水中にも聞こえた。


びっくりして目を閉じたあたしが次に目をあけた時には…



「…あれ………?
これ、地上?」

「地上ですよ」

「あぁ、そうですか…」



助かった!


よかったぁ………って!


あたし、誰と話してんだ!?



「大丈夫ですか?」



声がした方を向くと………


うわぁぁぁぁぁ!!!


今まで見たことないくらいの綺麗な顔…!



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