私の彼氏はヴァンパイア



「着きましたよ」



その声と同時にあたしの目を見た。


次第にぼやけていた視界がはっきりして、朦朧としていた意識も取り戻した。



「あれ…?ここは………」

「僕の家」



うひょ━━━━━!!!!!


超豪邸…!!!


ってか、あたし男嫌いだよね?


なんで先輩んちきてんだ…?



「入って入って」



先輩が笑顔で促す。


中世ヨーロッパのお城みたいな外観で、中もテレビでしか見たことない豪華さ。


…実は、王子先輩はベールに包まれた存在だったりする。


住所はもちろん、生年月日や血液型さえ分からない。


そんな先輩の家にきてるなんて…



「お風呂使っていいよ。
早く着替えないと風邪引いちゃうし」

「先輩は…」

「大丈夫、安心して。
僕は別のお風呂に入るから」



お言葉に甘えて、お風呂を借りた。


ゆっくり入って構わないとのことで、体を洗ってから湯槽に浸かっていた。



「…ふぅ………」



ちょうどいいお湯加減。


…にしても………


このお風呂も広いの何のってそりゃもう………


ホテルの大浴場より広いんじゃないかって。
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