私の彼氏はヴァンパイア
コンコンと、ノックの音がした。
「はっ…はい!!!」
「楓様でしょうか?
入ってもよろしいですか?」
「えっ!?
はっ…はい!!
ちょっと待ってください!」
女の人の声。
入れても大丈夫だよね。
あたしはとっさにバスローブを取って着た。
「どどどどどうぞ!」
「失礼します」
ドアを開けて入ってきたのは、黒いメイド服に身を包んだ若い女の人だった。
「薫風坊っちゃまより頼まれまして、お着替えをご用意いたしました。
お気に召しませんできたか?」
「え…?
いや、そんなことは………!」
あ、この着替えは先輩がこの人に頼んで用意してくれたんだ。
…先輩、疑ってすみません………
「でしたら、風邪を引くと大変ですのでお着替えくださいね。
お召しになっていた制服の方はこちらで洗濯していますので、お帰りの際は私共にお申し付けください」
「ありがとうございます…」
「いえ、全然構いませんよ。
ここを出てすぐの部屋で、薫風坊っちゃまがお待ちです。
お着替えがお済みになりましたら、その部屋に行ってください」
「わかりました」