私の彼氏はヴァンパイア
「どうぞごゆっくりなさってくださいね。
…これは余談になるのですが………
薫風坊っちゃまは楓様をお気に召されたようでございます。
末永く…お付き合いくださいね」
「えっ…?
あ………はい………」
「では、失礼します」
先輩があたしを気に入ってる?
…まさかね。
あの学園一美人で有名な花園先輩でさえ、王子先輩にフラれたんだよ?
あたしのことなんて、好きになるはずないじゃん。
まぁぱっぱと着替えて、先輩に挨拶しに行こう。
それでさっさと帰っちゃえばいいんだから。
…それに、この屋敷もなんだか気味悪くなってきた。
帰り道も分からない。
ここがどこなのかも。
不安になってきた………
あとで先輩に聞いてみよう。
あたしは手早く着替えを済ませ言われた通りの部屋へ行った。
「あ、日向さん。
大丈夫?寒くない?」
「はい、大丈夫ですけど…」
「ならよかった。
適当にかけて」
部屋に入ると、なんかもう…
ベルサイユ宮殿の中にいる感じ。
ほんでもって、先輩が王子様。