私の彼氏はヴァンパイア



痩せた途端に言い寄ってくる男子。


中身は以前と変わらないのに、男は外見だけを見る………


…これが今のあたしの男嫌いの原因だった。


…そして、卒業式の前日。


その日がちょうど、美里と約束した日だった。


あたしだって分かってくれるかな。


あんまり変わったから、すぐには気づかないかも。



期待に胸を踊らせながら、向かったあの桜の下。


校舎はそのままで、ここから眺める景色も変わらない。


変わったのはあたしだけ。


でも、綺麗になった。


美里、気づいてくれるかな…


………それが、いくら待っても美里はこない。


約束、忘れたのかな………


いや、今日の朝確かに電話した。


「楽しみだね」って、そう言ってた。


とうとう日が暮れて、やむを得ずそのまま家に帰った。


すると、慌ててあたしを出迎えたのはお母さんだった。



「楓!
どこ行ってたのよ!」

「どこって………
美里に会いに、小学校に………」

「………それが今、美里ちゃんのお母さんから電話があって……………」



…やっぱり。


美里、急な用事があったんだ。



< 5 / 44 >

この作品をシェア

pagetop