私の彼氏はヴァンパイア
痩せた途端に言い寄ってくる男子。
中身は以前と変わらないのに、男は外見だけを見る………
…これが今のあたしの男嫌いの原因だった。
…そして、卒業式の前日。
その日がちょうど、美里と約束した日だった。
あたしだって分かってくれるかな。
あんまり変わったから、すぐには気づかないかも。
期待に胸を踊らせながら、向かったあの桜の下。
校舎はそのままで、ここから眺める景色も変わらない。
変わったのはあたしだけ。
でも、綺麗になった。
美里、気づいてくれるかな…
………それが、いくら待っても美里はこない。
約束、忘れたのかな………
いや、今日の朝確かに電話した。
「楽しみだね」って、そう言ってた。
とうとう日が暮れて、やむを得ずそのまま家に帰った。
すると、慌ててあたしを出迎えたのはお母さんだった。
「楓!
どこ行ってたのよ!」
「どこって………
美里に会いに、小学校に………」
「………それが今、美里ちゃんのお母さんから電話があって……………」
…やっぱり。
美里、急な用事があったんだ。