私の彼氏はヴァンパイア
あたしはホッと胸を撫で下ろした。
裏切られたんじゃないと分かって、安心した。
「で?
美里どうしたの?」
「…それが………
小学校に向かう途中で事故に遭ったみたいで………」
「………事…故……………?」
「…そうなの………
打ち所が悪かったみたいでね、重傷なんだって…
明日まで持つか持たないか…」
事故……………?
明日まで持つか持たないかって………
…そんな………!
「………病院どこ?」
「この近くの大きな病院に搬送されたって………」
気づかないうちに体が勝手に動いていた。
…美里が重傷………?
あの病院なら30分あれば行ける!
「楓…っ!」
玄関でお母さんが声をかけてきた。
そんな声にも構わず、あたしは駆け出した。
神様………っ!
お願いします………
どうか美里を……………
美里を助けてください………!
病院に着くと、フロントの人に訪ねた。
「ふっ…藤咲美里さんの病室はどこですか………?」
「306号室になります…」
エレベーターのボタンを押してもなかなか降りてこない。