私の彼氏はヴァンパイア
…仕方ない。
たった1秒でも早く美里の顔が見たくて、ひたすら階段を昇った。
言われた通りの部屋の前でガラッとドアをあけた。
「もしかして………
…楓ちゃん………?」
話しかけてきたのは美里のお母さんだった。
昔よりシワなんかは増えたけど雰囲気は変わってない。
「そうです………
………美里……………」
…あたしはベッドの隣で足の力をなくした。
立てずに力なく座り込む………
「…ごめん………っ
ごめんね…美里………」
美里の顔の所々に痛々しい青いアザが見える…
あたしとの約束がなければ……
…きっと美里はこれからも幸せな毎日を歩んでいけたのに………
あたしがすべて…悪いんだ……
「………泣…か……な………い…で………」
酸素マスクをつけた美里が目をあけて、あたしのいる隣を向いた。
そっとあたしの頬を撫でて微笑みかける。
「…楓が…悪いわけじゃ………ない……よ………」
「…でも………!」
「あり…がとう………
ちゃんと……会えて………よかった……………」
微かにまた微笑んで…