私の彼氏はヴァンパイア



…そっと瞳を閉じた。


それが美里の最期。


美里は最期まで微笑みながら、あたしを見ていた。


あのあたしを救ってくれた…、大好きな笑顔のままで………。





















━━…翌日、卒業式当日。


あたしは出席しなかった。


泣き腫らした目のまま、いたのはビルの屋上だった。


…もう覚悟はできている。


美里だけを逝かせるわけにはいかないんだよ。


あたしだけ図々しく生きるだなんて………


あたしに生きる意味を教えてくれた美里がいない今、あたしに生きる意味はないんだよ。


生きている資格もないんだよ。


遺書もちゃんと書いた。


世間がいじめで中学生が自殺しただなんて、誤解したらいけない。


学校にも家族にも迷惑かかるからね。


…今どき、友達の後追い自殺なんて信じてくれないかも。


そんなことも信じてくれない、この荒んだ世の中であたしは生きていく自信…ないから。





美里…、今行くからね………。





ふっと足の力を抜いて、目を閉じた。


━━━…これで、あたしの人生終わり。



< 8 / 44 >

この作品をシェア

pagetop