私の彼氏はヴァンパイア
…そっと瞳を閉じた。
それが美里の最期。
美里は最期まで微笑みながら、あたしを見ていた。
あのあたしを救ってくれた…、大好きな笑顔のままで………。
━━…翌日、卒業式当日。
あたしは出席しなかった。
泣き腫らした目のまま、いたのはビルの屋上だった。
…もう覚悟はできている。
美里だけを逝かせるわけにはいかないんだよ。
あたしだけ図々しく生きるだなんて………
あたしに生きる意味を教えてくれた美里がいない今、あたしに生きる意味はないんだよ。
生きている資格もないんだよ。
遺書もちゃんと書いた。
世間がいじめで中学生が自殺しただなんて、誤解したらいけない。
学校にも家族にも迷惑かかるからね。
…今どき、友達の後追い自殺なんて信じてくれないかも。
そんなことも信じてくれない、この荒んだ世の中であたしは生きていく自信…ないから。
美里…、今行くからね………。
ふっと足の力を抜いて、目を閉じた。
━━━…これで、あたしの人生終わり。