私の彼氏はヴァンパイア
よかったこと………
美里に出会えたことが一番幸せだった。
ずっと夢の中だったんだよ。
大好きな友達といる学校が楽しくてたまらなかった………
…ありがとう、美里………
そう心で呟いた。
次の瞬間…━━
「…いったぁ………!」
気がつけば、あたしはあのビルの屋上だった。
何かに跳ね返されて………
そう、まるであたしを拒むように跳ね返してきた。
…あれは一体………?
「…バカ………!」
小さな声が聞こえた。
前を見ると、美里が綺麗な服を着ていた。
ちょうどあたしが飛び降りようとした柵の上に座って、足をブラブラさせている。
「…美里………!?
生きてたの………?」
驚きのあまり、目を見張った。
昔みたいに美里が笑っている。
「ううん。
昨日、ちゃんと死んだよ。
楓に見守られながらね」
「じゃあ…なんで………」
「許可もらったの。
下界に降りる許可を、特別にね。
…楓のことだから、こんなことだろうと思った」
クスクス笑いながら、普通に話していた。