屋根裏の街
天井
いじめられていた。家でも学校でも。そりゃ仕方ないよね。勉強も運動も苦手で、おまけに不細工で貧乏ときたら、普通に生きていく方が難しいのかもしれない。15年間いろんな場面でそれを学んできた。うちのお母さんは継母なんだ。ホントのお母さんは昔誰かに殺された。きっと継母の仕業なんだと長いこと思ってた。だけどよく考えたら、うちのお父さんごときを略奪するために殺人を犯そうとする方がおかしいんだよね。後頭部なんか芸術的な禿げ方してるし、口も足も臭いし、出っ歯だしデブだし。罰ゲームでも付き合いたくない。その人に似たのが私だから、彼の悪口を言えば言うほど惨めになる。継母は、やっぱりデブだった。類は友を呼ぶってやつかな。一家三人、無言の日々。継母は何気にサディストで、私が小学3年生の頃にこのうちに来て以来私のことを「不幸な子ども」だとか「汚物」だとか好き勝手言いやがる。だけど、『お母さん』って言っとけばいつかは平和が来るんじゃないかって、反抗期を忘れている単純バカな私は信じてる。
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